ストロベリーナイト (2013)

誉田哲也の警察小説を竹内結子主演で映像化し、人気を博したテレビドラマの初の劇場版。左目が縦に切り裂かれた4つの死体が発見され、その犯人と目される謎の男を巡って、警察内部でのトラブルに巻き込まれていく警視庁捜査一課の刑事・姫川玲子とそのチームの運命を描く。染谷将太が事件の鍵を握るミステリアスな青年を演じる。副題「インビジブルレイン」。

監督:佐藤祐市、出演:竹内結子、西島秀俊、大沢たかお、小出恵介、宇梶剛士、津川雅彦、高嶋政宏、染谷将太、鶴見辰吾、田中哲司、三浦友和、武田鉄也、遠藤憲一、金子賢、渡辺いっけい

ストロベリーナイト (2013)のあらすじ

直感と行動力を武器に、数々の難事件を解決し、ノンキャリアで成り上がった警視庁捜査一課の刑事・姫川(竹内結子)。そんな彼女が率いるチームの管轄で、左目が縦に切り裂かれた4つの死体が見つかる。やがて、彼女の元に「犯人は柳井健斗」という不審な電話が入るが、上層部からは柳井(染谷将太)に触れるなとの指示が下り、姫川は独自に捜査を進める。

ストロベリーナイト (2013)のストーリー

ある雨の夜、暴力団・龍崎組の下部構成員・小林充の刺殺体が発見される。遺体の状況は別の2つの暴力団員殺しと共通性があり、捜査一課では連続殺人として組対四課と合同の大掛かりな捜査会議が行われる。しかし、単純な暴力団内の抗争と見る組対とそれに疑問を持つ姫川(竹内結子)・日下(遠藤憲一)率いる捜一は対立し、別々に捜査を進めることになる。

その会議後、姫川は小林殺しの犯人は「柳井健斗」であるという密告電話を受けるが、それを捜査しないようにと上司たちに告げられる。柳井(染谷将太)は9年前に殺害された柳井千恵の弟だった。警視庁は千恵に性的虐待を働いていた姉弟の父に容疑をかけ追及したが、父は否認したまま署内で拳銃を奪い自殺、しかも死後、容疑は誤認で真犯人は千恵の恋人だった小林ではという疑惑がもち上がった。上層部はこの事件を封印していたが、柳井が復讐で小林を殺したとなれば、この不祥事が世間に明らかになり警察への信頼を揺るがす事態となる。自らの保身を考える長岡刑事部長(田中哲司)が、今回の事件を暴力団抗争として処理するようにと和田捜査一課長(三浦友和)らに圧力をかけていたのだ。敬愛する和田の進退にも影響することから、橋爪(渡辺いっけい)、今泉(高嶋政宏)ら上司たちもこれに追随せざるを得ない。反発する姫川は、自身の班の部下たちを巻き込まないよう、単身捜査を始める。

一方、龍崎組の若頭補佐・牧田勲(大沢たかお)は若頭・藤元(鶴見辰吾)の組への裏切りをひそかに追及しながら、連絡のつかなくなった柳井の部屋を訪れたところで姫川と出会う。牧田は不動産会社の社員と身分を偽り、柳井を探す姫川と連絡を取り合う関係になる。そんな中、藤元が何者かに射殺され、連続殺人は4人目となる。やがて、牧田と会っていた姫川、そして菊田は彼の正体を知る。牧田が姫川を抗争に利用していると考えた菊田は彼の元に乗り込むが、姫川への男としての思いを見抜かれ、挑発される。姫川は牧田に柳井との関係を追及し、柳井が情報屋として牧田との付き合いがあったこと、彼が藤元の情報を調べていたことなどを聞き出し、取引用の偽名口座番号を手に入れる。牧田は姫川が抱える心の闇ゆえに自分に惹かれていることを指摘し、二人は雨に打たれる車の中で体を重ねる。姫川を追ってきた菊田は、その情事をただ見つめるばかりだった。

姫川の単独行動は長岡の耳にも入り、事件の捜査から外されてしまう。諦められない姫川は勝俣(武田鉄也)に柳井の口座番号を託し、その調査でアジトが判明する。しかし、柳井はその場所で、一連の殺人が自分の単独犯行だという遺書を残し、遺体となって発見される。ここで姫川の部下たちは彼女に捜査指示を求め、その下に一致団結した姫川班は小林殺しの真実に至る。柳井は牧田の協力で小林に刃を向けたものの殺すことができず、その様子と彼の家族を侮辱した小林の態度に過去の心の傷を抉られた牧田が、自ら小林を手にかけたのである。姫川は独りで牧田に会い、出頭するよう説得する。だがそのとき、牧田の部下・川上(金子賢)が刃物を手に襲いかかり、牧田が刺される。小林を除く一連の殺人は、牧田に心酔するあまり、彼を目の敵にする藤元ら邪魔な者たちと柳井を殺し、全てを柳井の犯行に見せかけようとした川上の暴走によるものだった。牧田は泣き叫ぶ姫川の腕の中で、微笑みながら動かなくなってゆく。

事件はそのまま隠蔽されるかに見えたが、和田が記者会見の席で9年前の事件と連続殺人の関連を暴露し、不祥事の責任を関係者全員が負うと発言したことで長岡の企ては崩される。姫川班のメンバーはそれぞれ所轄に異動となり、彼らの4年6か月の歴史は幕を閉じる。青空の下、異動の挨拶を交わした菊田と姫川はそれぞれの場所へと向かってゆく。

  • コメント: 0
  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。